御覧いただきありがとうございます。全単板、ハカランダ単板の1969年製造『MITSURU TAMURA No.1000』を出品致します。今は亡き四国高知の名工「田村満」のクラシックギターです。実兄の田村廣氏も1960年代~1970年代日本を代表するギタールシアーで、どちらのギターも素晴らしいですが印象的には田村満氏のギターの方が手工品らしさを持ちつつ華やかな作り、サウンド的にもバランス良くしっとりと落ち着いたトーンという印象があります。(個人的に廣氏よりも満氏のギターの方が好みです。田村満ギター工房はルシアーの川田一高氏、岩田晃昌氏もお弟子さんとして所属しておりました。) 本機は1969年、今から55年前に10万円という高額な個体で、トップは『ドイツ松単板』バック&サイドには上質な『ハカランダ単板』が惜しげもなく使用されています。1960年代後期のハカランダ単板機は当時はこのモデルの下位にNo.800がありましたから1000は1970年代初頭だとNo.1500、1970年台中期にNo.2000、1970年代後期にNo.3000、1980年台初頭にはNo.4000に値するモデルとなるかと思います。(1984〜85年頃に工房は閉鎖し解散となります。)1969年当時もハカランダは高級材ながらまだ輸入禁止ではなく近年のように希少材扱い、高額ではなかった為良質なハカランダが惜しげもなく使用されています。
1969年製造の本機は田村満氏が1966年に独立し、工房の設立3年後に製作されたかなり初期の個体になります。1966年には川田一高氏が工房に入所し、この時期で3〜4人の少人数で製作していた事から1969年製のこの個体は田村満本人、自身が製作されていた時期だったのではと推測します。 ちなみに上本宮から旭町に工房を移した1974年以降は工房規模の拡張や製作に従事する人数も増えた事により弟子に工房を任せ田村満氏自身はギター製作には携わらなくなり不動産業等の実業家として活動されます。 ( 田村満氏が直接製作に携わらなくなった以降でも優秀な弟子、 ビルダーが在籍していたので上質で素晴らしいギターが製造され続けられました。)
本機は1969年、今から55年前に製作された田村満名義ではかなり初期の個体で、 トップは 『スプルース単板」 ( 恐らくこの時期はドイツ松が使用されていた思います。) バック&サイドには良質な『 ハカランダ単板 』( サイドには割れ止めも施されています。) マホガニーネックでエボニー指板となっております。ボディートップには複数ヶ所塗装面にクラックが見られますが、ブレーシング上だったりそのほかの個所でも押してみても開いたりもしないですし内側を目視しても割れ止めのパッチなどリペア痕も見られませんので木部まで割れたりしてはおらず単なる経年による塗装表層のチェックの様ですのでご安心ください。もちろん古いギターですので他にも使用に伴うキズやハカランダならではの塗装の変色等はみられるものの全体の状態はネック等も含め良好で、古いクラギによく見られるネック痩せでフレットの出っ張り等もございません。( 弦長660ミリ、弦高は12フレットで6弦、1弦共に約3ミリ程、 今まで数多く田村満ギターを手にしておりますが1本もネック痩せをしている個体はありません。 素晴らしいです。)
サウンドは明るく粒立ちの良い印象でありつつ豊なトーンと潤沢なサスティーンが心地の良く材の特徴が良く出た出音の個体だと思います。 演奏家の方はもちろん年代物のハカランダギターをお探しの方、とても出音が大きく張りのあるサウンドですのでフラメンコの演奏にも良い個体かもしれません。この貴重な機会に是非御入手下さい。 本機は古いものですのでキズや使用感はございます。 新品レベルを求める方や、神経質な方はご入札をお控え頂きます様お願い致します。『 全単板!』 極めて初期物の『 MITSURU TAMURA No.1000 』もいつもの様に 『 1円オークション & 最低落札価格無し!』 で行かせて頂きますので皆様楽しんで御入札下さい。 最後まで宜しくお願い致します。
■ 新規のいたずら入札が横行しております。誠に申し訳ございませんが「新規」で入札を御希望の方は質問欄の方に事前に「入札希望」のご連絡を頂きます様お願いしたく思います。ご連絡なく御入札の場合基本御入札を取り消しさせて頂きますのでご了承下さい。(こちらの判断で評価が著しく悪い、過去の取引きで問題有りと判断した方も取り消しさせて頂く事があります。) 勝手ではございますがよろしくお願い致します。
■取引ナビの送信は落札後24時間以内にお願いします。お支払い方法もかんたん決済のみですのでかんたん決済のお手続きも24時間以内 (かんたん決済でのコンビニ支払い、銀行支払いの場合でも48時間以内のお振込をお願い致します。) 落札より丸1日取引ナビのお手続きがない場合は入札を取り消しとさせて頂きます。(ヤフオクは2018年3月1日より商品が落札者様に到着し『受取連絡』手続き後出品者への支払いというシステムになりましたので、落札後に受取の延着もお受け出来ませんし、その様な方も御入札されない様お願い致します。) その場合私の意思とは関係なくシステム上「非常に悪い」の評価が付きますことをご了承ください。ご理解の程よろしくお願い致します。
(2024年 5月 9日 13時 07分 追加)
ネックの接続加工はスペイン式(一本竿)です。
(2024年 5月 10日 23時 28分 追加)
ハカランダは板目の木目のみ認知されていて柾目のハカランダを知らない方がちょくちょくおられますのでちょっ説明を↓
ハカランダならあの幻想的な杢目は特徴でしょ?などと思われる方も多いでしょうが、詳しい方ならこの柾目のハカランダがどれほど貴重なのかお分かりいただけると思います。 それが分かりやすい例としてマーチンのハカランダ仕様のギターがあると思います。 戦前モデルのマーチンのハカランダギターは殆どが本機と同じ柾目のハカランダが使用されています。 また再生産された時の1968年製の「D-45」でも生産された67本の多くが柾目のハカランダで、翌1969年に生産された162本のD-45では板目のハカランダがかなりの頻度で使用されます。 ( もちろんそれまでのハカランダモデルでも板目使用の個体もあります。) 生産本数の違いもありますが1968年、特に柾目のハカランダの個体の方がコレクター、プレイヤーにも人気があり、実際ビンテージギターショップの販売価格でも68年と69年、 柾目と板目ではかなりの差が有ります。なぜ柾目の方が板目よりも高額で貴重かと言いますと、 本来材を切り出す時の木取りの方法が違い、柾目の方はかなり年数の経っている太材でなければ取れないという事がまず1つ(近年板目材のハカランダが多いのはマーチンが 「 クォーターゾーン 」というネーミングを付け板目材を大々的に売り出したこともありますが、ハカランダ材自体が不足し若い細材で確保する為という事もある様です。) 柾目の方が板目より強度があり、狂いも少なく、割れが生じてもリペアがし易くリペア痕も分かりづらい。あと何といってもバランスのとれたハカランダサウンド、ハカランダ本来のサウンドキャラクターはやはり柾目にあると語られるところも大きいと思われます。
(2024年 5月 11日 20時 19分 追加)
■ 以前に販売しておりました田村満ギター(ハカランダ単板)■
『 1975年製 MITSURU TAMURA No.2000 』
『 1983製 MITSURU TAMURA No.3000 』
『 1979製 MITSURU TAMURA No.2000 』